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こちら ネクタイハチマキのお父さんが 千鳥足で持ち帰る焼き鳥の折をお手本に 色紙で折った「玉手箱」の出品です。 中には軟骨ばかりを集めたやげん串 が入っているのかと思いきや 中身のないおはなしが入っています。 語り部はドッペルヤゲンガー こやつは今日も一杯ひっかけた様で、 頬は赤く、日々の飲み過ぎで 体中やたら黄色いです。 こちらの玉手箱 思いの外 色鳥どりに出来ましたので 小物入れにいかがですか？ サイズは縦8cm×横8cm×高さ4cm お気に召して頂けましたら 折りたたみ、封筒に入れ 郵送で送らせて頂きます。 なお、ドッペルヤゲンガーは もう一人の自分を探しに出ないとならない為 お付けできません ご了承下さい。 中身のないおはなしはこちら↓ つづき↓ 私が実家に帰省するや否や 大好物の天津甘栗を 「ふん」と差し出してくる婆さん。 帰省時の晩ごはんには 必ず地の蟹が食卓に上がるのだが、 「ふん」と差し出してくる婆さん。 「あんたが嫁に行って　便利が悪りぃわぁ」 とブツクサ言っている隣で 私は苦笑いしながら殻を剥く。 そのうち、父、母の蟹も差し出され 実家に滞在中、 剥くばかりで、ちっとも食べれない 地獄の蟹剥ぎの宴は繰り返される。 蟹に及ばず 干し柿用の柿、栗、ピスタチオ シャコ、牡蠣、 皮という皮、殻という殻 好物なのに剥き手がおらず、 普段食べ控えているもの 全て剥かされる。 私が甘やかしたばっかりに とんだワガママ婆さんになっているのだ。 レディーボーデンの婆さんのふるまいは まるで我が婆さんのそれであった。 実家を遠く離れたスーパーで 我が婆さんのドッペルゲンガーに逢おうとは。 私は再びこの婆さんも甘やかし、 ワガママ婆さんを作り出してしまうのか。 不覚にも レディーボーデンを掘っている最中 私の口元はほくそ笑んでいた。 愚か者は同じ轍を踏むことだろう。 また逢おうぞ ドッペルゲンガー婆さん。 レディーボーデンと同じ糖度で 甘やかすからな。