こちらは現在、星野源さんのバンド、SAKEROCK、cero、YOUR SONG IS GOOD、キセル、二階堂和美さん、スカート 澤部渡さん、Homecomings、VIDEOTAPEMUSICなど、錚々たる人気を誇るアーティストを擁するカクバリズムの所属となった、mei ehara / 江原茗一さんがインディーズ時代にご自身が手作りで制作した自主制作盤、『REMINDER』です。ご覧の通り、ジャケット絵はプリントではなく、江原さんご自身が描き、着彩されたもので、ジャケット内側にはその際に付いたと思われる絵筆の色が残っております。そのことから、おそらく流通量もごく僅かな、大変貴重なアルバムであると思われます。メジャー所属以降は、キセルのプロデュースでインディーロックや、ローファイサウンドを思い起こさせる独特のバンドサウンドを展開している江原茗一さんですが、名盤『私生活』をはじめ、インディーズ時代の作品はすべて、アコースティックギターによる弾き語りとなっており、大量のエコーの中から浮かんでくる江原さんのびやかで澄んだ歌声が、決して触れることのできない幻のように美しい風景を描いていきます。本作『REMINDER』は、アコースティックギターの多重録音も取り入れられており、ポスト シューゲイザーやドリームポップ的なサウンドを取り入れつつ、アシッドフォークのような酩酊感、サイケ感も変わらず存在し、まさに「ここでしか聴けない」音楽となっていることは間違いありません。歌詞とメロディも、インディーズ時代からすでに日本のアーティストの中ではトップクラスの完成度を誇っていると思います。本作を含め、may.e時代の作品は、著書多数、日本のみならず世界でトップクラスの音楽ディガーである門脇綱生(猫街まろん)氏がかねてより強く再発を望んでいる名作ですが、メジャーレーベルに所属しており、現在もシーンの第一線で活躍しているため、権利の関係からおそらく今後も再発されることがない、幻の作品だと思います。再生確認済み、現在も問題なく全曲問題なく視聴できます。ぜひこの機会を逃すことなく、この本当に素晴らしい、知られざる名作をお手に取っていただけますと幸いです。