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73年に一連のクーガシリーズの最初に発売された2バンドモデルです。定価は￥13500。発売当時の2バンドとしては結構高価格なモデルでした。ナショナルは多分このモデルを機にワールドボーイシリーズと訣別し、仇敵ソニーとの販売競争に備えるべく新しいデザインと設計コンセプトによるクーガシリーズに移行した物と思います。このモデルが発売される前の最後のワールドボーイであるGXOが偶々手元にあったので並べた写真を8枚目に掲載しました。高さは略同じくらい、幅は可也狭く、一方で思い切って奥行きを取ったデザインである事がよく分かります。割と片手で持っても持ち易いデザインで結構魅力的です。このデザインの新しさで相当に売れたモデルだろうと思うのですが、中古市場には殆ど出てきません。小生も今回で多分2台目位かと思いますが、今月は何故かこのモデルの当たり月の様で、オークションでも他に2台が略同時に入手できました。都合3台ですが、その中でもこの個体は初期状態が非常に良く、電池室の液漏れ痕も無く、外観も目立ったキズの無い美品でした。ビニールカバーとキャリングベルトは結構草臥れて居たので、特にご要望がなければ此方で処分致します。内部を見るとスピーカーはGXOと似たアルミセンターキャップ付のコーン紙ですが、磁気回路は可也小さなφ10cmのアルニコ型です。GXOのスピーカーはナショナルとしても評価して居たのか、クーガ7にも使われて居ます。割と図太いがっしりした音ですが、入れ物(ラジオのボックス)によって結構音にはバリエーションが出ます。小生としては音の良さはTX、GXO、クーガ7が略同列、少し落ちてこの5と言う印象です。磁気回路が小さい分ボックスに奥行きを持たせて低音の響きを良くしようとしたのが、デザインの意図したところだったのでしょうが、プラスチックの躯体では振動が抑えきれず、少しボンづいた低音になっている様に感じます。もう一つ、このモデルでは予めラウドネスが内蔵されて居て、音量を絞ると低音が強調される事も一因かもしれません。以上はあくまで小生個人の感想です。FM、AM共に感度は良い方ですが、これも内蔵されるフェライトアンテナ(10x160mm)はGXO(12x180mm)に及ばず、テクニカルガイド上のスペックでも劣ります。希少な美品、整備済価格です。電池、ACコード付。